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国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を達成するために、教育でできる方策を探る「SDGsリレートーク 『じぶんごと』からはじめるために」。今回登場していただくのは、正則学園高校(東京都千代田区)の本川太郎先生です。今年3月まで現役の小学校長だった田中孝宏・教育ネットワーク・アドバイザーとの熱いトークは、「じぶんごと」の実践から教科教育の考え方まで多岐にわたりました。 聞き手:田中孝宏(教育ネットワーク・アドバイザー)まとめ:吉池亮(教育ネットワーク事務局長)  1977年生まれ。2000年より正則学園高校教諭。現在は3年生のクラスを担当中。部活動は、鉄道研究同好会、現代視覚文化研究同好会の顧問を務めている。     そこで、飢餓貧困について調べているうちに、今度は世界食糧計画(WFP)の存在を知り、だったら活動拠点の一つ、WFPに話を聞いたらどうかということになりました。日本のWFPの窓口に電話をしたら会ってくれるというので、生徒たちを連れて行きました。 実際にWFPの人たちが会ってくれると、そこでまたいい影響があるんですね。中東のシリアとかで最前線で活動されていた人の「生」のお話を聞くことで、子どもたちの目つきも変わってくるんです。いまどきの子どもたちですから、興奮して「先生、これ、やばいっすよ」などと言い出して(笑)。 要するにペットボトルのキャップを回収しているという行為だけでは前には進まない。そこから先の「アクション」がないと。行動をしないと意味がないのだと子どもたちも理解してくれたようです。      滋賀県・琵琶湖の周辺を覆うイネ科植物の「アシ」の群落を整備する地元の事業に参加した。大学でのワークショップなどでの事前学習を経て、現地で行われた大規模なアシ刈りに参加。その様子を取材し、1960年生まれ。83年から小学校教諭。2020年3月まで東京都江戸川区立の小学校長だった。同年4月、読売新聞教育ネットワーク・アドバイザーに就任。>> SDGs(持続可能な開発目標)に関する記事やお知らせの一覧です。 標語「2030SDGsチャレンジ〜『じぶんごと』からはじめよう」には、2030年年を目指して国連が掲げた目標を「他人事(ひとごと)」とせず、できることから始める「自分事」として取り組もうという思いが込められています。小さな一歩から始めることで、「地球まるごと」の取り組みにつなげていきましょう。 SDGsとは、全文表示へSDGsトーク2(下)社会を変えるのは「子どもたち」(2020年7月 3日)SDGsトーク2(中)目指すのは「ゼミ方式」(2020年7月 1日)SDGsトーク2(上)活動を支える「動機付け」(2020年6月29日)【SDGs@スクール】「男女の役割」問い直す(2020年6月16日)SDGsトーク1(下)リーダーとなる子どもたちを(2020年6月15日)SDGsトーク1(中)「意識付け」を考える(2020年6月11日)SDGsトーク1(上)給食だってSDGs(2020年6月 9日)【SDGs@スクール】「難民救う」方法探る(2020年5月 6日)廃棄のニシキゴイ稚魚活用で栄冠 広島・世羅高校(環境大臣賞)(2020年3月29日)世界で一つだけ「SDGs新聞」──正則学園高(2020年3月25日)民族楽器で森を守る 愛媛・上浮穴高(高校生選考賞)(2020年3月24日)伝統の柿渋活用でレジ袋削減 京都・木津高校(環境再生保全機構理事長賞)(2020年3月12日)かんきつ類の果皮を無駄なく活用 石川翠星高校(先生選考賞)(2020年2月27日)古来の技術で土壌改善 青森・名久井農高(国連大学サステイナビリティ高等研究所長賞)(2020年2月20日)外来ザリガニ駆除に貢献 北海道美幌高校(読売新聞社賞)(2020年2月16日)広島県立世羅高が環境大臣賞 ~全国ユース環境活動発表大会リポート(2020年2月12日)2020全国ユース環境活動発表大会 結果(2020年2月10日)高校生らが活動報告 ~ユースSDGsフォーラム(2020年1月21日)放置竹林の解決策提案 長崎・諫早農高(2020年1月16日)クロマツから抗菌スプレー 仙台高専名取の取り組み(2019年11月18日)プラゴミから海洋汚染分析 岡山・山陽女子中高の取り組み(2019年11月18日)2020全国ユース環境活動発表大会 地方大会がスタート(2019年10月25日) 高校生や大学生が持続可能な発展のあり方について考える  SDGsは、「Sustainable Development Goals」の略で、よりよい社会の実現に向け国連が2015年に採択した国際目標。貧困や栄養の改善、健康な生活の確保、質の高い教育など17の目標と169の具体策で構成し、30年までの達成を目指す。先進国を含む全ての国や人々が行動することで経済と環境を両立させ、「地球上の誰一人として取り残さない」ことを掲げる。  フォーラムは、持続可能な社会づくりに貢献する人材の育成を目的に行われた。参加校が取り組んでいる活動は、「社会や環境に配慮したエシカル(倫理的)なファッションなどに関する情報発信」(東京都立国際高)、「不要になった服を回収し難民に送る」(昭和女子大付属昭和高)、「キャンパス内での節水・節電ポスターなどの掲示」(千葉大環境ISO学生委員会)など。グループ討論では、それぞれの活動の魅力や今後の方向性、活動を継続させるために後輩たちにどう引き継いでもらうかなどが話し合われた。 こうした議論を踏まえ、高校や大学ごとに「ユースSDGs宣言」を作成し発表。自分たちの活動を充実させるほか、周りの人たちにもSDGsへの関心を高めてもらうことに注力することを盛り込んだ内容が目立った。  生徒らの宣言を受け、環境再生保全機構の大木正和さんは、地球環境について学べる施設「富良野自然塾」(北海道富良野市)が発信するメッセージ「地球は子孫から借りているもの」を紹介。「地球への負荷をできるだけ抑えて、次の時代にちゃんと使える地球を残しておこう」と呼びかけた。  また、読売新聞東京本社の吉池亮・教育ネットワーク事務局長は、生徒らが生活に身近なことや地域に関心を持って活動をしていることを評価、「地域の先に世界が広がっていることを意識して、視野を広げてもらいたい」とアドバイス。タニタの猪野正浩・ブランディング推進部長は、「どんな小さな取り組みも、継続することで輪が広がっていく。色々な人の意見を聞きながら、一人ひとりが強い意志を持って活動を続けてほしい」とエールを送った。  今回のフォーラムではまた、本紙の伊藤剛寛編集委員らが基調講演を行った。伊藤編集委員は「食とSDGs」と題し、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物(食品ロス)について触れ、日本では2016年度の推計で年間643万トンの食品ロスが生じていることなどを指摘。賞味期限と消費期限の違いを理解することや、食べ物を「買いすぎない」「作りすぎない」「食べきる」ことの大切さなどを訴えた。  また、管理栄養士でもあるタニタの荻野菜々子さんは、同社などが取り組む、郷土料理を健康的で現代風にアレンジするレシピコンテストの意義を紹介。郷土料理の継承や地域の活性化などに結びつける狙いがあることや、食塩の量を控えるなど健康を考えた食事は、SDGsの「すべての人に健康と福祉を」という目標につながることなどを話した。 読売新聞の教育ポータルサイトです。読売新聞が取り組む教育事業が一覧できるほか、またネットワーク参加の企業、学校などの取り組みを紹介します。ネットワーク参加企業による出前授業の … 朝日新聞社がこれまでのSDGs報道やイベントをまとめた冊子を無料プレゼントしています。紙面の記事をまとめた最新版と企業のトップインタビューとの現在2種類あり、合計4冊までなら無料配送してくれるそうです。これは素晴らしい。 読売新聞の教育ポータルサイトです。読売新聞が取り組む教育事業が一覧できるほか、またネットワーク参加の企業、学校などの取り組みを紹介します。ネットワーク参加企業による出前授業の … SDGs(持続可能な開発目標)を達成するために、教育でできる方策を探る「SDGsリレートーク『じぶんごと』からはじめるために」。正則学園高校(東京都千代田区)の本川太郎先生と、今年3月まで現役の小学校長だった田中孝宏・教育ネットワーク・アドバイザーとのトークは佳境に入り、SDGsと教科教育のあり方に議論が移ります。 聞き手:田中孝宏(教育ネットワーク・アドバイザー)まとめ:吉池亮(教育ネットワーク事務局長)   理科と情報の担当は私になりますが、これにたとえば日本史の先生にも入ってもらい一緒に江戸時代の科学をテーマにした授業を完成させる、そんなイメージです。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、当初予定していた内容が延期や中止になってしまっているということもあるのですが、逆に若い先生からベテランの先生まで巻き込んで、会議を繰り返して夏から始めようという機運になっているんです。学校全体でカリキュラムとして取り組んでいくということを目指しています。               でも、その一方で、高校のいいところは生徒たちの年齢が高いから、授業プラス放課後講習を行うこともできます。夜の時間の活用は小学生ではなかなか難しいと思います。そういう時間の活用ができるところが、高校は恵まれているといえるかもしれませんね。生徒が議論を通じて思考力や表現力などを身につけることに重点を置いた学習の進め方。知識偏重に対する反省から注目されるようになり、2021年度から適用される中学校の新学習指導要領にも盛り込まれた。