ソニー ミラーレス 歴史
超コンパクト・フルサイズセンサー搭載、ミラーレス機 「ソニーα7」誕生 2013年. ソニーの一眼カメラでも長い歴史を持ち、α9とダブルフラッグシップモデルとして存在するα7シリーズ。 その中でもスタンダードモデルであり、最新モデルとして販売されているのがα7 iiiです。. 2013年にはミラーレスに35mmフルサイズを搭載したソニーα7rが発売開始されました。2017年に発売開始されたソニーα7r iiiはさらに高画質となっています。 カメラブランド sony(ソニー)の歴史と特徴、 … *16 aps-cセンサー搭載ミラーレス型レンズ交換式デジタルカメラとして。2019年8月広報発表時点。ソニー調べ。静止画撮影:ビューファインダー使用時約720枚。lcdモニター使用時約810枚。cipa準拠。30秒ごとに1回撮影、10回に一度、電源を入/切する

無断転載禁止 ソニーのレンズ交換式カメラ、αの歴史はこのα100から始まりました。メニューや操作性、ボディ内手ぶれ補正機構などの基本的なコンセプトはコニカミノルタ時代からのものを引き継いています。有効1020万画素CCDイメージセンサーと、現在もその同じ名称を採用している画像処理エンジン「BIONZ(ビオンズ)」、CCDの表面へのゴミやホコリを取り除く「アンチダスト機能」を搭載していました。当時はペンタプリズム部分の「SONY」ロゴに対して、多くのカメラファンの反応は好意的な … ソニーが変えたフルサイズミラーレスの大衆性 オートフォーカス抜群のフルサイズが登場.

一眼レフからミラー構造を省略したミラーレスカメラは、新しいタイプのレンズ交換式デジタルカメラとして2008年に誕生した。今年で誕生からちょうど10年を迎えるわけだが、気が付けば販売台数シェアなどはすでに一眼レフを超える存在になっている。今後、一眼レフに代わってレンズ交換式デジタルカメラの主流になるのは間違いないだろう。ここでは、そんなミラーレスの進化の歴史を振り返って、今後の展開を予想してみたい。ミラーレスの歴史は2008年8月に発表された「マイクロフォーサーズ」規格の登場から始まる。この規格は、オリンパスとパナソニックが当時、両社のデジタル一眼レフに採用していたオープン規格「フォーサーズ」の拡張版。フォーサーズは、4/3型という35mm判と比べて対角線が半分になる小さなサイズのイメージセンサーを採用し、高画質化と小型化の両立を狙った規格だった。マイクロフォーサーズは、フォーサーズのコンセプトをベースに、フランジバックを半分にして事実上ミラー構造をなくし、レンズマウントも小型化することで、さらなる小型システムを実現するという斬新なもの。将来的な動画対応を意識してレンズマウントの電子接点を増やすなど、一眼カメラの未来像を意識した設計も取り入れた。当時、ミラー構造をなくしたデジタル一眼カメラの研究や検討を行っていたのは、オリンパスとパナソニックだけではなかった。そもそも、一眼レフをデジタル化する過程で「ミラーをなくす」という検討はどのメーカーも行っていたという。ミラーレスをいち早く規格化し、商品化を進めたのがオリンパスとパナソニックの両社であったわけだが、その背景には、デジタル一眼レフの人気が高まっている中で、フォーサーズ陣営が際立った存在感を示せなかったことも少なからずある。裏返せば、他メーカーはデジタル一眼レフが堅調で、それに代わる新しいレンズ交換式カメラを商品化する必要がなかったとも言える。マイクロフォーサーズ規格の発表から約1か月後、2008年9月にパナソニックから世界初のミラーレス「LUMIX DMC-G1」が発表になる。144万ドットの電子ビューファインダー(EVF)や、横開きのバリアングル液晶モニターを採用するなど、現在のミラーレスと変わらないスタイルのカメラであった。「女流一眼」というキャッチコピーで女性向けをアピールしていたことを覚えているだろうか。続いて、2009年6月にオリンパスが「PEN E-P1」を発表。EVFは搭載せず、奥行35mmで重量約335gの「世界最小・最軽量のレンズ交換式デジタルカメラ」であることをうたった。往年のハーフサイズカメラ「PEN」の名を冠した高品位な小型カメラとして話題を集めた。オリンパスとパナソニックの両社からミラーレスの新モデルがいくつか追加されていく中、次に動いたのはソニーだった。ソニーは2006年にコニカミノルタから「α」ブランドを引き継ぎ、ミノルタ時代からのAマウントを採用する一眼レフを手がけていたが、2010年5月、同社初のミラーレスとなる「NEX-5」「NEX-3」の2モデルを発表した。フランジバックの短い新マウント「Eマウント」を採用し、APS-Cサイズの大きなイメージセンサーを搭載しながらも圧倒的な小型・軽量化を実現。NEX-5は、ボディの最薄部24.2mm、重量約229g(本体のみ)で、当時、レンズ交換式デジタルカメラとして世界最小・最軽量をうたった。余談になるが、ソニーはミラーレスを「α NEX」というシリーズ名でスタートした。一眼レフと差別化しつつも、αブランドを残したこの名称は正直伝わりにくかったと思う。NEXは「ネック」ではなく「エヌイーエックス」と呼ぶのもわかりにくくさせていた部分だ。その後、α NEXはなくなり、2013年以降、ソニーのAPS-Cミラーレスは「α6000/α5000/α3000」という型番に沿った名称のシリーズに分かれていく。NEX-5/NEX-3の登場は大きなインパクトがあった。カメラファンに対して「ミラーレス=小型・軽量」という認識を決定的にしたところがあり、他メーカーからも小型・軽量化を意識したミラーレスが増えていくことになる。なかでも象徴的だったのが、ニコンの「Nikon 1」シリーズだ。同社ミラーレスの第1弾として「Nikon 1 V1」「Nikon 1 J1」の2モデルが2011年10月に発売。1インチサイズの小さなイメージセンサーを採用し、現在のミラーレスの多くが採用する「像面位相差AF」をいち早く取り入れた高速AFシステムや、AF固定で約60コマ/秒の高速連写など、スペックに特徴のあるコンパクトモデルで話題となった。その後、Nikon 1シリーズは、小型・軽量というミラーレスの魅力を引き出したモデルをいくつかリリースしたが、ミラーレスの高性能化が急速に進む中で、イメージセンサーのサイズで競争力が低かったこともあってか、残念ながら現在では販売終了となっている。ユニークな展開をしたのはペンタックスだ。2011年8月、超小型ミラーレス「PENTAX Q」を発売。一般的なコンパクトデジカメと同じ1/2.3型の小さなイメージセンサーを採用し、重量約180g(本体のみ)のまさに手のひらサイズのミラーレスとして話題を集めた。その後、イメージセンサーを1/1.7型に大型化したモデルをいくつかリリースしたが、2014年8月発売の「PENTAX Q-S1」を最後に新モデルは出ていない。現在では生産が終了した状況になっている。このほか、リコーのユニット交換式デジタルカメラ「GXR」でも、ミラーレスタイプのレンズマウントユニット「GXR MOUNT A12」が2011年9月に登場した。「ライカMマウント」、APS-Cサイズのイメージセンサー、ローパスフィルターレスという思い切った仕様を採用し、オールドレンズの描写を楽しめるミラーレスユニットとしてカメラファンの心を掴んだ。なお、GXRは、GXR MOUNT A12を含めて6つのユニットを用意したが、現在は販売終了となっている。また、ソニーはこの時期、Aマウント一眼レフ「α55」「α33」(2010年9月発売)で「トランスルーセントミラー・テクノロジー」という新しい仕組みを搭載して話題となった。この仕組みは、既存の一眼レフのような駆動式ミラーではなく、固定式の透過ミラーを採用することで、専用の位相差AFセンサーとイメージセンサーの両方に光を届けるといもの。ミラーの駆動がなくなったことで、AF追従で最高約10コマ/秒の高速連写や動画撮影時の位相差AFを可能にした。ただ、この仕組みはカメラのカテゴライズで物議を醸す。仕組み上ファインダーはEVFになり、ミラーが光学ファインダーに光を届けるわけではないので一眼レフではない。駆動はしないがミラー構造がないわけではないのでミラーレスでもない。既存の枠にはない、一眼レフスタイルのレンズ交換式デジタルカメラの登場であった。なお、このトランスルーセントミラー・テクノロジーは、その後のAマウント一眼カメラで採用され続けている。2012年に入ると、それまでコンパクトデジカメに注力していた富士フイルムがミラーレス市場に参入。2012年2月にレンジファインダースタイルの高級モデル「X-Pro1」を発売。光学ファインダーとEVFを切り替えられる独自のファインダーを「FinePix X100」から継承し、富士フイルムらしい色再現が楽しめるミラーレスだった。その後、富士フイルムは一眼レフタイプの「X-T」シリーズ、コンパクトな「X-E」シリーズといったシリーズを増やし、本格的にミラーレス製品を展開している。2017年2月に中判ミラーレス「GFX」を商品化したのも記憶に新しい。富士フイルムの参入で、計6メーカーがミラーレスを展開することになった。レンズ交換式カメラを手がけたことがある主要メーカーの中で残るのはキヤノンだけという状況の中、2012年7月、キヤノンが同社初のミラーレス「EOS M」を発表した。新開発の「EF-Mマウント」を採用し、同社一眼レフと同じAPS-Cサイズのイメージセンサーと映像エンジンを搭載した小型・軽量モデルだ。撮影モードダイヤルを省略するなど、思い切ったシンプルな操作性とデザインは驚きであった。この頃、ソニー、オリンパス、パナソニックの3社がミラーレスのラインアップを充実させて販売台数も順調に伸ばしたが、ミラーレスはあくまでも「エントリー向け」の立ち位置のカメラであった。ソニーは「NEX-7」(2012年1月発売)、オリンパスは「OM-D E-M5」(2012年3月発売)という、より本格志向のモデルを発売したが、両社とも一眼レフ(※ソニーは厳密にいえば一眼レフタイプ)をフラッグシップとすることに変わりはなかった。また、この時期、ニコンとキヤノンからミラーレスが登場したわけだが、いずれもエントリークラスだったこともあって、「本格的に撮るなら一眼レフ、ライトに使うならミラーレス」という棲み分けが加速したように思う。性能面でもミラーレスは一眼レフと比べて差があったのも事実だ。特にAFとファインダーは一眼レフに遅れを取っていた。ミラーレスのコントラストAFは、専用の位相差AFセンサーを使う一眼レフに比べて合焦速度が遅かった。像面位相差AFの技術が使われ始めてきたものの、追従性が低く、動く被写体にピントを合わせるのは一眼レフのほうがやりやすかった。また、EVFは表示タイムラグが発生するという課題があり、リアルタイムに見て撮れる光学ファインダーと比べて、やはり動く被写体が撮りにくいという評価だった。「ミラーレスはエントリー向け」という認識が高まる中、2013年の後半に、ミラーレス市場に2つの大きな動きがあった。1つ目は、2013年9月に、オリンパスが新しいフラッグシップモデルとしてミラーレス「OM-D E-M1」を発表し、一眼レフの終了を宣言したことだ。それまでオリンパスのフラッグシップといえば、2010年10月発売の一眼レフ「E-5」だった。だが、E-5発売後に一眼レフの新モデルは出ておらず、事実上マイクロフォーサーズに舵を取っていたので自然な流れではあったが、一眼レフメーカーとしての歴史があるオリンパスが一眼レフをもう作らないというのはインパクトがあった。2つ目は、2013年10月に、35mmフルサイズの大型センサーを搭載する世界初のミラーレスがソニーから発表されたことだ。ソニーはこれまでAPS-Cセンサーのミラーレスを展開してきたが、それと同じEマウントを採用するフルサイズミラーレス「α7シリーズ」を新たに追加したのだ。コストパフォーマンスにすぐれた「α7」と、有効約3640万画素の高画素センサーを採用する「α7R」が第1弾モデルとして登場した。500gを切る(α7:約416g、α7R:約407g、いずれも本体のみ)小型・軽量ボディでフルサイズの画質が楽しめるのは衝撃的だった。2014年に入ると徐々にミラーレスの高性能化が加速していく。特にソニー、オリンパス、パナソニックが力を入れて取り組み、ラインアップも中上級者向けが充実していくこととなる。2014年からの新モデルを順に追っていくと、179点全面位相差AFセンサーを使った高速AFやAF追従・11コマ/秒連写のソニー「α6000」(2014年3月発売)、新開発の「空間認識AF」や4K動画撮影のパナソニック「LUMIX GH4」(2014年4月発売)、有効約4240万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーのソニー「α7R II」(2015年8月発売)などが登場。一眼レフを上回るようなスピードでミラーレスが進化していくようになる。2016年以降は、一眼レフの上位機種に匹敵する高速性を実現したミラーレスが続々と登場する。このあたりから登場する高性能ミラーレスは、技術の進歩によってAFが高速化して追従性も向上したうえ、EVFのレスポンスも大幅に改善されている。AFとファインダーに関して、かつてのような一眼レフとの大きな差はなくなったと言っていい。2016年は、425点の全面位相差AFセンサーや高速ライブビュー連写を実現したソニー「α6300」(3月発売)、高速レスポンスと倍率0.77倍のEVFを搭載した富士フイルム「X-T2」(9月発売)も話題だったが、12月に登場したオリンパス「OM-D E-M1 Mark II」がもっとも注目されたと言っていいだろう。OM-D E-M1 Mark II の最大の特徴は、AF・AE追従で最高18コマ/秒という超高速連写を実現したことだ。イメージセンサーのサイズが小さいとはいえ、キヤノンやニコンのフラッグシップ一眼レフを超える最高18コマ/秒連写を実現したのは驚きだった。ここまで連写速度を高められたのは、ミラーレスならではの部分だが、メカシャッターではなく電子シャッターを利用しているからこそ。電子シャッターで発生する動体歪み(ローリングシャッター歪み)の問題も、イメージセンサーの読み出し速度を従来比で3倍に速めることでほぼクリアしている。2017年になると、一眼レフの進化を大きく上回るような、非常にハイスペックなミラーレスが誕生する。パナソニックは静止画だけでなく動画機能にも注力してミラーレスを開発してきたが、2017年3月発売のフラッグシップモデル「LUMIX GH5」は、さらなる高速処理によって、デジタル一眼カメラとして世界で初めて4K/60p記録を実現した。プロ用のムービーカメラとしても利用できる性能をいち早く搭載したのである。加えて、AFのフレームレートを480fps(従来機GH4の約2倍)に高めるなどの工夫により、コントラストAFでの高速AFを実現したのも話題になった。他メーカーが像面位相差AFを導入する中、パナソニックはかたくなにコントラストAFにこだわっているが、GH5ではコントラストAFでも十分なAF速度が得られることを示した。さらに2017年はソニーからエポックメイキングなミラーレスが登場した。5月発売の「α9」だ。「α7シリーズ」の上位に位置するモデルで、何と、AF・AE追従で最高約20コマ/秒という超高速連写を実現したのだ。しかも、ブラックアウトフリーでこの超高速連写が可能。センサーの高速読み出しで歪みを抑える「アンチディストーションシャッター」も実現し、電子シャッターでの動体歪みの問題もクリア。連写の持続性も高く、693点の像面位相差AFによるAFも高速かつ高精度だ。一眼レフのフラッグシップと真っ向勝負できるハイスペックなミラーレスである。α9を一眼レフからミラーレスへの「ゲームチェンジャー」と呼ぶ声もあるが、確かに、このモデルが、ミラーレスの高性能化の到達点になっている感はある。これ以上のものとなると、すぐには作れないのではないだろうか。そう思わせるほどの高性能だ。なお、現時点でソニーはα9をフラッグシップモデルではなく、プロフェッショナルモデルと呼んでいる。「まだこんなもんじゃない!」という意思表示なのか、それとも、今後さらに高性能なシリーズが登場することを示唆しているのであろうか。α9の発売後もソニーはスピード感をもって新モデルをリリースしている。有効約4240万画素の高画素センサーを採用しながら最高約10コマ/秒連写を実現した上位モデル「α7R III」を2017年11月に発売。2018年3月には、α9のAFシステムを継承し、こちらも最高約10コマ/秒連写が可能なベーシックモデル「α7 III」を発売した。α9以降の、ソニーのこの一連のリリースは、フルサイズミラーレスの市場を引っ張っていくというソニーの意気込みを強く感じるところだ。高性能化が進むミラーレスだが、今後注目しておきたいのはフルサイズミラーレスをめぐる動きだ。このカテゴリーの製品はソニーが先行しているが、2018年7月25日、ついにニコンが、かねてから噂されていたフルサイズミラーレスの開発を発表したのだ。ミラーレスとしては、生産終了したNikon 1シリーズからの再参入となる。ニコンのフルサイズミラーレスは新マウントを採用することが明らかになっており、レンズも新設計のものになる。マウントアダプターを介して一眼レフ用のFマウントレンズを利用できることも発表されている。製品の詳細は不明だが、ティザーサイトが用意されており、そう遠くない時期に発表されるのは間違いない。ティザーサイトを見る限りでは、新マウントの口径はかなり大きく電子接点は11個。ボディは大きなEVFやグリップを搭載しているようだ。シルエットからは、エントリーから中級というよりは、本格的な上位機をうかがわせる。高画素センサー機とベーシック機の2モデルの同時リリースが噂されているが、どういうカメラが登場するのか今から楽しみだ。いっぽう、同じくフルサイズミラーレスの開発が噂されているキヤノンは、まだ動きが見られない。キヤノンはAPS-CミラーレスEOS Mシリーズを継続しており、「EOS Kiss M」というKissブランドのモデルを追加するなど、最近はミラーレスへの動きが活発になってきているが、あくまでもエントリー向けの展開に限られている。中上級者向けの高性能なミラーレスが増えている中で、キヤノンが何もしないということは考えにくい。こちらも、ニコンよりは後になるだろうが、フルサイズミラーレスが発表されると見ていいだろう。こうしてミラーレスの進化の歴史を振り返ると、下から上へのボトムアップの展開だったことがわかる。エントリーから始まって10年でフラッグシップ一眼レフの性能にたどり着いたというのは、予想もしないスピードでの進化だ。「ミラーレスはエントリー向け」という認識が高かったころ、数年でミラーレスの性能がここまで向上するとは多くの方が思っていなかったのではないだろうか。ミラーレスの進化が速いのは、ミラー構造がないため、メカ部分に性能が制限されにくいことが大きい。イメージセンサーや画像処理エンジンといったデジタル部分の技術革新がそのままカメラの進化につながるため、今後もさらなる性能向上が期待できる。性能の高まりを受けて、ミラーレスは、最近ではプロにも選ばれるようになってきた。特に、機動性が重要なスナップやポートレート、風景といった分野ではプロでも使用している方が増えている。ニコンとキヤノンの動きにもよるが、今後これらの分野はミラーレスがメインとなるであろう。いっぽうで、一眼レフが強い分野がある。それは報道やスポーツ。この分野では、依然として一眼レフのフラッグシップが選ばれているという。確かに、大きなスポーツイベントでカメラマンが使用している機材を見ると、ほとんどがキヤノンかニコンのように見える。報道やスポーツで一眼レフが強いのは、カメラへの慣れの問題も大きいが、ミラーレスがまだ一眼レフに劣っているところがあるからだ。よく言われているのは信頼性や操作性の部分。「インターレース表示のEVFはどんなに高精細でも見にくい」というスポーツカメラマンの声を耳にしたこともある。こうしたファインダーに対する集中力が違う報道やスポーツ系のプロに選ばれるには、もう少し時間がかかりそうだ。2020年の東京オリンピックではさすがに多くのプロカメラマンが一眼レフを選択することだろう。だが、その次のオリンピックではどうだろうか。東京オリンピックが「一眼レフで撮られた最後のオリンピック」になるかもしれない。ここ数年のミラーレスの急速な進化を見ると、本当にそうなるように思えてくる。最後に余談として、「ミラーレス一眼」という名称が生まれた経緯を探ってみたのでまとめよう。ニュースメディアの記述をさかのぼってみると、ミラーレス初号機LUMIX DMC-G1が発表になったときは「ミラーレスのデジタル一眼カメラ」という使い方が多く、まだ「ミラーレス一眼」という名称は見られないようだ。なかには、内部構造を勘違いしているのか「ミラーレス一眼レフカメラ」という謎の名称を使っているところもあった。ちなみに、パナソニックはLUMIX DMC-G1の発表時に、「ミラーレス構造」という用語は使っているが、製品については「新世代デジタル一眼カメラ」と呼んでいた。興味深いのは、2009年〜2010年頃、オリンパス、パナソニック、ソニーがミラーレスの新モデルをリリースした際に、どのメーカーも「ミラーレス一眼」という名称を使っていないことだ。オリンパスは「マイクロ一眼」と呼んでいて、オリンパスの担当者からは「オリンパスはミラーレス一眼ではなくマイクロ一眼でお願いします」と念を押されたこともあった。ソニーは「レンズ交換式デジタルカメラ」「レンズ交換式一眼カメラ」と呼んでいた。「ミラーレス一眼」をメーカーが最初に使ったのは、調べた限りでは、2012年8月発表のパナソニック「LUMIX DMC-G5」のようだ。リリースページで「ミラーレス一眼」と書かれている。近い時期では、2012年10月発表のソニー「NEX-5R」「NEX-6」でも「ミラーレス一眼」が使われ始めている。どうも、この頃に定着した呼び方のようだ。おそらく、正式なものはなかったのだろうが、「ミラーレス構造のデジタル一眼カメラ」を略して「ミラーレス一眼」と表記するようになり、それが浸透していったのではないだろうか。なお、当時筆者はカカクコム社に勤務していたが、この新ジャンルのカメラの呼び方を統一する際に、「一眼」という言葉を含めるかどうかで議論をした覚えがある。「光学ファインダーではないので“一眼”をつけるのはおかしい」という意見もあったが、結果としては当時一般的になっていた「ミラーレス一眼」に落ち着いた。2018年の現在では「ミラーレス一眼」ではなく「ミラーレス」のほうがメディアでの表記は一般的になっているように感じる。価格.comでも「ミラーレス一眼」と「ミラーレス」の両方を使い分けているようだ。時間とともに呼び方が変わるのも、正式な名称がないまま商品化したこともあるのだろうが、新しいジャンルのカメラであることを感じさせる部分である。カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comで価格.comマガジンは、気になる製品をユーザー目線で徹底紹介するサイトです。

公開日 : 一眼レフ市場に現在でも人気機種ランキングではミラーレス機が上位に入っているほど、定番のカメラとなりました。ここでどれだけ性能がアップしているのか、またこの先のミラーレス一眼はどのように進化していくのか予想してみました。昔の話まで振り返りますが、まず初代機はキヤノン「EOS DCS3」で、撮像素子はAPS-Cサイズに近いCCDで画素数は130万画素、価格は約200万円です。今では信じられない画素数と価格ですね(笑)また同時に初の手振れ補正機能がレンズに搭載され、こちらも一眼レフ史上初の技術でした。1999年にはニコンからこの「ニコン D1」は一般ユーザーにも使いやすく人気で、価格は65万円と高価でしたが2002年にはキヤノンが「EOS-1Ds」で初のフルサイズセンサー機を発表します。ただ当時のフルサイズ機はまだ3桁の価格だったので、一般ユーザー向けではありませんでした。2003年はキヤノンが「EOS Kiss Digital」を発表し、コンパクトボディでカメラ初心者でも使える機種として大ヒットになりました。2004年、オリンパスから「E-330」はレフ板のある一眼レフですが、コンパクトカメラのように当時の一眼レフはCCDの加熱問題がありコンパクトカメラのようなライブビュー表示が難しかったのですが、この機種でようやく可能になりました。ミラーレス一眼のきっかけともなる1台だったといえます。このライブビュー機能はオリンパスの後継機一眼レフ「E-410」「E-520」へと引き継がれます。まだこの頃のライブビューはAFが遅く素早い撮影には向いていませんでした。オリンパス以外のAPS-C機でも2008年にはデジタル一眼レフで初となるフルHD動画撮影+ライブビュー撮影に対応した、「EOS 5D Mark II」が発売されたことも話題になりました。一眼レフ市場では、2005年に一般ユーザー向け価格になった35mmフルサイズのデジタル一眼「EOS 5D」がキヤノンから登場します。価格は30万円台と安く、ここから他社も追随してフルサイズCMOSセンサーを搭載した一眼レフが次々と発表されていきます。2008年、フォーサーズの新規格としてセンサーの発表だけでなく、センサーサイズを維持しながらボディとレンズを小型化した画期的なミラーレス一眼それまでもオリンパスが大きな一眼レフとコンパクトカメラの中間を埋めるようなフォーサーズ規格の一眼レフを発売していましたが、このモデルによってEVFの倍率は約0.7倍(35mm判換算)と広く、それまでフォーサーズの一眼レフでファインダー像が小さかった欠点が解消されました。オートフォーカス方式は一眼レフのような位相差AFではなくコントラストAFでしたが、合焦スピードが速くベテランユーザーにも受け入れられる性能でした。この「DMC-G1」をきっかけに、次々とミラーレス一眼が発売されることになります。2009年はオリンパスから初のミラーレス一眼このペンシリーズの由来は、1959年から発売されたハーフサイズのコンパクト一眼「オリンパスペン」からきています。デザインにもレトロさがあり、オリンパスの歴史を感じるモデルでした。ファインダーはありませんが、シンプルな操作性とデザインで女性にも人気があり、現在でも売れ筋のシリーズとなっています。2010年にはマイクロフォーサーズではなく初のAPS-Cセンサーを搭載したミラーレス一眼がソニーから発売されます。それまでソニーは2006年にコニカミノルタのカメラ事業を引き継ぎAマウントのカメラを発売してきましたが、このミラーレス一眼から新たにEマウントを加えました。現在ではこのEマウントがソニー機の主力となっていて、2013年には2011年はニコンがコンパクトカメラに近いサイズのミラーレス一眼このカメラはセンサーサイズが1型のため画質面でもコンデジと一眼の中間に位置するカメラになります。2012年は富士フィルム、キヤノン、ペンタックスと立て続けにミラーレス市場へ参入し、各社機種が出揃うようになりました。キヤノンこの頃になると中級機も登場し、オリンパス「OM-D E-M5」は防塵防滴+5軸手振れ補正を備え、高機能化が進んでいきます。2013年に入るとミラーレス一眼はすっかり一眼カメラとして定着し、メーカーは高級モデルに力を入れます。オリンパスからはフラッグシップモデル「OM-D E-M1」が発売されます。「OM-D E-M1」は初のコントラストAFと像面位相差AFを組み合わせた像面位相差AFを搭載した機種はその後キヤノン・ソニーからも発売されます。2013年、ソニーは35mmフルサイズセンサーを搭載した初のミラーレス機「α7」「α7R」を発売し、ソニーのEマウントフルサイズ機はその後もシリーズ化されます。2014年には敢えて画素数を落とした「α7S」、2015年には高画素数の「α7R II」などが発売されました。また2014年頃からエントリー機でもラインナップが充実してきます。2014年、オリンパスのOM-Dシリーズにエントリーモデル「E-M10」が登場し、ペンシリーズと並んで人気モデルとなります。2015年はパナソニックから高機能ミラーレス「ルミックスDMC-GX8」が登場し、ボディ側で4軸補正+レンズ側2軸の合わせて6軸コントロールという世界初の手振れ補正を備えました。それまでミラーレスはコントラストAFのため、野鳥やレース撮影など速い動きの被写体には弱いとされてきました。しかしこの年から動体撮影に適したミラーレス機が登場します。オリンパスの「OM-D E-M1 MarkII」、ソニーの「α6500」はプロも評価するほどの2017年にはソニーがフルサイズのフラッグシップ機としてプロ・ハイアマチュア向けの「α9」を発売します。この機種も連写に強く、「α9」はブラックアウトなしで20コマ/秒が可能となっています。富士フィルム「X-T2」も従来のミラーレスよりも追従性能が上がっていて、動く被写体を撮影するのに適しています。2016年はそれまでミラーレス機でのAF速度の遅さが指摘されていたキヤノンが「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載し、高速オートフォーカスを実現しました。「M5」「M6」「M100」、そして2018年2月、一眼レフブランドのKissシリーズが遂にミラーレス化して「Kiss M」となり話題になりました。この頃になるとミラーレス全体が底上げされて高機能化しますが、ボディサイズも以前に比べて少しずつ大きく重くなっていきます。2018年2月、ソニーから「α7 III」が発売されました。「α9」のような高性能追従AFに加えて高感度画質を向上させ、しかも20万円台という低価格のため話題となりました。一方、ニコンは2018年8月に初のフルサイズミラーレス一眼「Z6」「Z7」を発売しました。新マウント「Zマウント」を開発し、対応した「NIKKOR Z」レンズも発売されました。新マウントということでレンズラインナップはまだ少ないですが、今後に期待が高まっています。2017年にはパナソニック「GH5」が世界初となる様々な動画記録形式が用意されていて、プロの映像現場でも使用できるスペックになっています。ソニーの「α6500」は新たに開発したビデオフォーマット「XAVC」の記録に対応し、4KだけでなくフルHDでも綺麗な画質を実現しています。以前に比べて使いやすさが進化してきたミラーレス一眼ですが、一眼レフと比較するとまだデメリットも残っています。常にライブビュー表示をしているため(ファインダー映像も同様)消費電力が大きく、バッテリーは多くの機種でそのため1日中撮影するなら予備バッテリーは必須になります。撮影枚数によっては3個持ち歩くという人もいて持ち運びの重量が増してしまいます。この撮影枚数問題は、大容量(その変わり重量アップ)にしない限り解消は難しいでしょう。連写時のブラックアウトもミラーレスの大きな問題でしたが、現在はソニー「α6500 / α6300」や「α9」、オリンパス「OM-D E-M1 MarkII」など連写がしやすく改良された上位モデルが発売されています。下位モデルではまだ連写は得意ではありませんが、今後少しずつ改善していくでしょう。「「 ソニーでは2019年現在で15製品のミラーレス一眼カメラを販売しています。その内の2/3のモデルがフルサイズセンサー搭載と、フルサイズミラーレス一眼にこだわっていることが分かります。APS-Cサイズのセンサーを搭載した製品もありますが、他社は一般的なデジタル一眼レフカメラ形式でフルサイズ一眼レフカメラを開発する中、ソニーはミラーレス形式で勝負している一風変わったスタイルです。現在発売されている現行 …

α NEX(アルファ・エヌイーエックス)は、ソニーが展開するミラーレス一眼カメラのシリーズである(以下、NEXと表記)。 1945年愛知県生まれ。明治大学卒業。出版社に勤務の後、1975年にカメラマンとして独立。以後「大自然の中の小さな詩情」をメインテーマに、花、植物、昆虫、風景などにカメラを向ける。雑誌への寄稿、写真集の発表を続けるかたわら、アマチュアの指導にも精力的に取り組み、ファンは多い。日本自然科学写真協会会員。写流プロジェクト登録作家。1951年岐阜県郡上八幡生まれ。日本大学芸術学部映像学科中退後、写真家 篠山紀信氏に師事。1981年「僕のイスタンブル」「ブエノスアイレスの風」でデビュー。以後「作家の貌」などの人物写真、「MOMOCO写真館」などのアイドル写真、旅や料理の写真で、雑誌、CMで活躍。ヌード、ポートレートで定評を得る。女優写真集、アイドル写真集、料理写真集など100冊近い写真集がある。1959年北海道美唄市生まれ。大学時代から北海道の山を中心に撮影を始める。現在、北海道・上富良野町に住み、丘をはじめとする美瑛・富良野の風景を独自の感性で表現し続けている。1995年、自宅の一部に「ノースランドギャラリー」をオープン。千葉大学工学部田村稔研究室でカメラ・レンズを学ぶ。学研に入社し写真部に。カメラ雑誌『CAPA』副編集長を経て1991年に独立。理論に裏付けられた撮影テクニックやユーザーの視点に立った撮影機材の評価・提案に定評がある。「学研カメラムック-確実な露出決定」「デジタル一眼レフカメラ塾」「実践ポートレート撮影」「デジタル一眼レフ ストロボ活用術」ほか著書多数。


*16 aps-cセンサー搭載ミラーレス型レンズ交換式デジタルカメラとして。2019年8月広報発表時点。ソニー調べ。静止画撮影:ビューファインダー使用時約720枚。lcdモニター使用時約810枚。cipa準拠。30秒ごとに1回撮影、10回に一度、電源を入/切する

2013年、ソニーは35mmフルサイズセンサーを搭載した初のミラーレス機「α7」「α7R」を発売し、 画期的な小型フルサイズ機 として注目が集まりました。 ソニーのEマウントフルサイズ機はその後もシリーズ化されます。