因子 原因 違い

もうひとつ、多変量解析の中でビジネスに活用されることの多い「重回帰分析」と因子分析の違いも説明しておきましょう。重回帰分析は、判明しているデータから、将来の数値を「予測」するタイプの代表的な分析手法です。

一般常識「ものごとが起こるきっかけ」という意味の言葉としては、いろいろなものが思い浮かびます。代表的なのは「原因」ですが、その他にも「要因」や「起因」などがあり、使い分けに困るところです。これらの言葉には、果たしてどんな違いがあるのでしょうか。今回は、「要因」「原因」「起因」「真因」という4つの言葉の違いについて、具体的に説明していきたいと思います。要因とは、事件が発生したり、事物が成立するに際して、直接その原因や条件となった要素のことです。簡単に言えば、あるものごとを生じさせることになった、主な原因という意味になります。英語では、「factor」がこれにあたります。要因という言葉は、「原因」と同じ意味で使われることもありますが、両者は完全に同義ではありません。要因という言葉が使われるのは、ある事象の発生を引き起こした要素が、1つに限らない場合が多くなっています。つまり、複数の要素が関係してある事象を起こしているとき、そのいくつかの要素を指して、要因という言葉を使うのが一般的です。原因とは、ある事物の発生や、あるものの状態や変化を引き起こす元となった事柄を指す言葉です。「原」は「みなもと」という意味の漢字で、はじめや起こりを表しており、「因」もまた、「ものごとの始まり」を表しています。つまり原因は、同じ意味の字が連なった熟語で、「始まりとなった元のことがら」を意味していることになります。英語では、「cause」という言葉にあたります。原因と要因の違いについて言えば、要因が上記のように複数存在するのに対し、原因は基本的に1つの場合が多いという点が挙げられます。別の言い方をすると、いくつかの要因が集まって、1つの原因を形成しているという風に表現することが可能です。ただ、原因は常に1つというわけではなく、複数の要素をそれぞれ原因と呼ぶこともあります。起因とは、ものごとが起こることになった原因という意味の言葉です。「基因」という字を書く場合もあります。この説明だと、「要因」や「原因」との違いが分かりづらいところですが、これらとの違いは、要素の直接性や具体性にあると言えます。起因という言葉を使うのは、事件や事象が起こることになった、直接的、個別的なきっかけを表すことが一般的です。例えば2人の男性が、肩がぶつかったのをきっかけに殴り合いのケンカを始めたという場合、その肩の接触が、ケンカの起因と呼ばれるようになっています。それ以前に、2人の間にいくつか不和の要因があった場合も、ケンカの直接の引き金になった接触だけが、起因となります。真因とは、文字通り、「真の原因」を意味する言葉です。その事件や事象を起こすことになった、真実の問題を表しています。これもまた、原因との違いが分かりづらいところですが、真因は、表面的な原因の背後にあるものを指して言うことが一般的です。上のケンカの例えで言うと、不和が生じる一番元となったできごとが、真因にあたります。例えば一方が片方に対し嘘をついたなど、2人の関係に亀裂が生じることになったそもそもの問題がある場合は、それが真因になります。この場合、肩の接触は起因や原因とは呼べますが、真因ということはできません。この記事が気に入ったらその他おすすめのコンテンツ一覧一次元・二次元・三次元・四次元・五次元の違い高級寿司屋のマナーと正しい食べ方34選「夫」「主人」「旦那」「亭主」の意味と違い「写す(写る)」「映す(映る)」の意味と違い生む(生まれる)・産む(産まれる)の違い「早急(そうきゅう)」と「早急(さっきゅう)」の意味の違いと読み方「一人称」「二人称」「三人称」の意味と違いグローバル化とは?グローバル社会とは?メリットと13の問題点元・基・下の使い方の違いホールディングスとは(持株会社とは)?メリットとデメリット9選関東と関西の61の違い朗報・悲報・吉報・凶報・訃報・速報の違いアラサー・アラフォー・アラフィーは何歳から何歳まで?「出身地」「出生地」の意味と違い民主主義・資本主義・社会主義・共産主義の違い「冠水」「浸水」「洪水」「水没」の意味と違い以上・以下・未満・超え・以内・以前・以降・以来・以外は基準を含むかの違い「動線」と「導線」の違い「妻」「嫁」「家内」「女房」「奥さん」「かみさん」の意味と違い「尋ねる」「訪ねる」「訊ねる」の意味と違い「幼年」「少年」「青年」「壮年」「初老」「中年」「熟年」「高年」「老年」の違い「会食」「接待」「接客」の意味と違い草食系男子や肉食系男子だけじゃない!全50種類の○○系男子一覧「身幅」と「肩幅」の意味と違い 関連因子は、原因となる因子、あるいは、看護診断との間に一種のパターン的な関係が認められる因子である。このような因子は「〜に先行する」「〜に伴う」「〜に関連した」「〜の一因となる」「〜を助長する」と表現される。問題焦点型看護診断とシンドロームでは関連因子が必要になる キーワードを入力してください「因子分析」とは、統計学上のデータ解析手法のひとつです。「因子」は何かの結果を引き起こす原因を意味します。つまり因子分析とは、たくさんの結果(変数)の背後に潜んでいる要因を明らかにすることだと言えます。マーケティングの現場では、アンケート調査の結果を分析し、回答者の「潜在意識」や「隠れた想い」のようなものを見いだす目的で使われる分析手法です。もともと因子分析は教育心理学の分野で、生徒の能力を測定するために開発されたと言われています。生徒の能力を測るために多くの科目テストを行いますが、各教科の成績を並べて見るだけでは、各生徒のテスト成績に関して、なぜその成績だったのか、科目によって点数に差があるのはなぜなのか、といった要因は説明できません。そこで、生徒たちの各教科の成績を全体として分析し、成績の背後に隠れている成績を左右する個人の能力、たとえば読解力、発想力、説明力といった少数の「共通因子」を見いだすことが重要になります。各生徒の成績は、それぞれが持つ共通因子の能力の大小やその組み合わせと、各教科の固有の要因である「独自因子(特殊因子)」によって説明できると考えられるからです。これが、因子分析の考え方です。因子分析は当初、心理学の特に知能研究のみに応用できる分析方法だと考えられていましたが、今日では経済学や医学など多様な学問にも使われ、ビジネスの現場でも特にマーケティングリサーチの分析で頻繁に活用されています。因子分析は、複数のデータの関連性を明らかにする統計手法の総称「多変量解析」の一手法です。解析の目的や、扱う対象となるデータの種類によって、他にも数多くの分析手法があります。因子分析は複雑な計算を連続で何回も行うため、Excel単体では厳しいです。Excelに付加するアドインソフトや、「SPSS」「SAS」「R」といった統計ソフトで行います。その手順ですが、因子分析は進め方が数々あるのですが、一般的には以下の手順で進めます。アンケート結果など、分析したいデータから「固有値」を計算します。統計ソフトで変数の数だけ因子1から2、3……と各因子の固有値が算出されますので、それを見て、急激に数値が小さくなる手前までの因子を、分析する価値のある共通因子として決定します。共通因子の数を決定する方法は他にもいくつかあります。次に共通因子の影響の強さを示す「因子負荷量」を抽出します。抽出方法は多くの種類があり、統計ソフトでは7種類程度用意されていることが多いようです。どの抽出方法も統計的に間違いではなく、考え方と計算方法の違いです。最も一般的なのは「最尤法(さいゆうほう)」で、他に「主因子法」、「主成分法」などがあります。統計ソフトで因子負荷量(下の表では1.16250といった数値)を抽出すると、下記のような項目が算出されます。どういう意味のある項目なのか、簡単に用語を説明しておきます。寄与率(%)=因子寄与(負荷量の二乗和)÷観測変数の総数×100各観測変数の因子負荷を散布図グラフにすると、そのままでは共通因子が何を指しているのかわかりにくい場合が多いので、解釈しやすいよう、グラフの軸を、各因子の数値が軸に沿って位置するように回転させます。具体的には統計ソフトで数値を変換するのですが、回転の計算方法にも多くの種類があります。以前はバリマックス法が一般的に使われていたのですが、現在ではプロマックス法がよく使われるようです。回転によって解釈しやすくなったところで、共通因子名を決めます。上の学力の例で出した読解力、発想力、説明力などです。これは決まった答えがあるわけではありませんので、分析者の主観になります。各アンケートの回答者や回答者のクラスタ(階層、グループ)の特徴を分析したい場合、因子得点を算出します。因子得点によって、共通因子から見た各回答者の能力や資質や好みなどが推測できます。最後に、因子分析をマーケティングに活用した事例をご紹介します。ドラッグストアチェーンのA社では、化粧品コーナーの販売額が落ち込んでいました。今まではどの店舗もほぼ同じ売場構成で品揃えもほぼ同じだったのですが、来期は予算をかけて化粧品コーナーのリニューアルを行うことになりました。アンケートの調査項目は下の9つを設定し、質問項目に「非常にそう思う」から「まったくそう思わない」までの5段階の尺度で選んでもらいました。(1) 夜の肌の手入れに時間をかけたいアンケート結果を統計ソフトで分析した結果、女性が化粧品を購入する背景として、3つの共通因子を決めました。そして、アンケート質問との関連を見て、次の3つだと推測しました。第1因子:「肌手入れ」重視次に、アンケート回答者ごとの因子得点を算出し、回答者を「学生」「ビジネスパーソン」「専業主婦」のグループに分けて、各グループの因子得点の平均値をグラフにしてみました。学生 … 知識(第2因子)と低価格(第3因子)の得点が高く、商品知識を求め、低価格志向ということが推測できました。売場改革は、それぞれ店舗の顧客層を考え、街中のビジネスパーソンが多い店舗では商品解説のPOPやモニタでの動画解説を増やし、メーカーの研究員出身など商品に詳しい社員を配置することになりました。スーパー内など専業主婦が多い店舗ではサンプル品を多く置き、実際に試せるスペースを設けることになりました。大学に近く学生が多い店舗では現在より低価格商品の品揃えを増やし、他の店の型落ち在庫品なども集中的に回すことが決まりました。アンケートの因子分析の結果を活用し、A社の売場は大きく変わり、化粧品コーナーの売り上げは伸びたことでしょう。因子分析は、マーケティングにおいて頻繁に使われる「多変量解析」のための分析手法のひとつです。多変量解析とは、複数の変数を持つデータの関連性を明らかにする統計手法のことで、因子分析以外にも、多くの分析手法があります。解析の目的や、扱う対象となるデータの種類によって、表のように分類できます。多変量解析の目的は大きく分けて、購入率、売上や当選率など何らかの結果を「予測」することと、学校の試験結果を文系と理系に集約するなど「要約」することの二つに分けられます。さらに扱うデータが数字による量的変数か、性別などの数字ではない質的変数かによって解析手法が異なります。それぞれを簡単に解説します。多変量解析の中で、因子分析と同じくデータを要約するタイプに「主成分分析」があります。多くの統計ソフトでは、因子分析の計算時、主成分分析がオプションとして組み込まれているほど関連の深い分析方法です。下の図でわかるように、因子分析はテストの点数の原因(因子)を見いだす手法で、主成分分析はテストの点数から合成した指標(主成分)を作り出す手法です。因果関係が正反対で、考え方も計算方法も違います。もうひとつ、多変量解析の中でビジネスに活用されることの多い「重回帰分析」と因子分析の違いも説明しておきましょう。重回帰分析は、判明しているデータから、将来の数値を「予測」するタイプの代表的な分析手法です。さきほどの例を因子分析で分析する場合には、既存店の売上高を集め、そこから売上高の大小を説明できる共通因子を見いだすという順番なので、考え方が大きく違います。分析目的によって使い分けることで、より深くより広く分析できます。※解説に使用しているデータ、図版はダミーのものですデータ解析サービスマーケティング領域を中心とした「しる(市場/生活者把握)」「つくる(戦略/戦術立案)」「とどける(施策実行)」「はかる(効果測定・ネクストステップへ向けた改善検討)」をデータ解析でご支援いたします。インテージへのお問い合わせ、各種資料のダウンロード、メールマガジンの登録、などをご案内しています。株式会社インテージ