シーサイドライン 事故 原因
今回は「シーサイドライン」がなぜ逆走したのか原因を調査してみました。 未だ予想の範疇を出ませんが、 車上子側の受信不良が原因と考えます。 しっかりと原因を解明して、二度と同様の事故が起こらないようにして欲しいですね。 横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」新杉田駅で6月1日、発車しようとした車両が逆走して車止めに衝突し、15人が負傷した事故は大きな話題になった。筆者は国内外の新交通システムを取材し、何度も記事にしてきたこともあり、テレビからコメントを求められたりもした。 「原因究明と再発防止に取り組む」シーサイドライン事故で横浜市長が陳謝 6.2 13:28 運輸安全委が現地調査 横浜の自動運転車両事故 10-1)フェールセーフの死角 2019年6月1日午後8時15分頃、横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」で衝突事故が発生しました。 (事故の概要) 新杉田駅発、並木中央駅行き、5両編成の電車(無人自動運転)が、進行方向とは逆方向に走り、約25m先の車止めに衝突し、14人が負傷した。 運輸安全委員会は27日、横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」の自動運転車両が昨年6月に逆走した事故の経過報告書を公表した。走行中、車両… 株式会社横浜シーサイドラインが運営する新交通システム「シーサイドライン(金沢シーサイドライン)」で2019年6月1日に発生した逆走事故。同社は事故原因の究明を急いでいるが、6月6日時点で特定には至っていない。

「モノ・コト・暮らし」の深掘りレビュー&ニュース横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」新杉田駅で6月1日、発車しようとした車両が逆走して車止めに衝突し、15人が負傷した事故は大きな話題になった。筆者は国内外の新交通システムを取材し、何度も記事にしてきたこともあり、テレビからコメントを求められたりもした。これは自動車などにも言えるが、自動運転になったからといって事故がなくなるわけではない。交通事故の原因の多くは人間のミスと言われるが、自動運転の車両やインフラもまた人間が設計し製造するわけで、そこでのミスも起こり得る。 ただ設計や製造は、運転に比べれば時間をかけてじっくり取り組める。自動運転のミスが少なくなる理由はここにある。さらに最近の日本の公共交通は運転手不足が深刻であり、自動運転はこの問題改善にも効果がある。なので筆者は今回の事故のあとも、自動運転や無人運転を推進する立場である。 今回の事故報道では、ATOという言葉が何度も出てきている。ATOとは自動列車運転装置の略だ。鉄道の安全対策は、赤信号を見落とした際に自動的にブレーキをかけるATS(自動列車停止装置)、設定速度どおりに車両を走らせるATC(自動列車制御装置)があり、ATOは鉄道の自動運転では最高レベルになる。 ATOにはシーサイドラインのような無人式のほか、有人式もある。筆者がよく利用する東京メトロ丸ノ内線をはじめ、国内の多くの地下鉄で実用化されている。無人運転は運転士の代わりに、集中管理室で係員が状況をチェックしている。国内外で実験走行している同じ無人運転の小型バスと同じだ。 ただしATOが原因による事故は、路線数が少ないこともあるが、通常の鉄道の事故に比べれば少ない。筆者が記憶している我が国の事例では、1993年に無人運転新交通システムの大阪市「ニュートラム」で、終点の住之江公園駅で停車せずに車止めに衝突し、200名以上の負傷者を出した事故ぐらいだ。 しかも現時点での情報によると、今回の事故はこのATOが原因ではなく、集中監理室と車両との間の情報伝達も正常であったそうで、車両の配線が切れてモーターが逆回転に切り替わらなかったためだという。 気になるのは新杉田駅のような始発駅や終着駅で、通常列車が止まる位置から車止めまでの間に、ATOなどの制御装置が入っていなかったことだ。逆走など起こらないと信じていたのだろうか。この間にもATOのセンサーがあれば異常をすぐ感知し、車止めの前で停止できた可能性が高い。 またクルマの世界では、今や軽自動車にも衝突被害軽減ブレーキが付いており、10万円以下で装着が可能になっている。同じ安全装備を鉄道車両にもつければ、今回のような車止め激突事故の防止にはなるだろう。 事故から3日後、シーサイドラインは手動で運転を再開した。代行バスでは利用者をさばききれないことから、動かすことを優先したと思われる。一方で東京都の「ゆりかもめ」などでは、始発駅や終着駅で係員が車両状況をチェックし、逆走などが起きた際はすぐに列車を停める対策を施している。 すでに原因は明らかになりつつあるので、車止め付近に自動停止機能を加えたうえで、1日も早く無人運転を復活させるべきだろう。無人から有人、自動から手動に戻すのは技術の逆走だ。日本の新交通システムは安全性や信頼性が高く、シンガポールでは外国製からの置き換えを行ったところさえある。その地位は堅持してもらいたい。 それに今回の事故では死者は出ていない。ニュートラムのときもそうだった。一方でクルマの交通事故は毎日のように報じられ、シーサイドラインが運転を再開した4日には、福岡で高齢者が運転する車両が暴走して数台を巻き込み、運転者と同乗者が死亡するという恐ろしい事故が起きた。 前にも書いたように自動運転は完璧ではない。しかしシーサイドラインが有人運転だったとして、突然の逆走に運転士が驚いてパニックになり、そのまま激突した可能性もある。福岡の死亡交通事故と合わせて考えれば、やはり人間の運転のほうがミスは多いという結論になるだろう。原因をしっかり解明したうえで、より安全な自動運転、無人運転を目指してほしい。 モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。 THINK MOBILITY:「モノ・コト・暮らし」の深掘りレビュー&ニュース