YAMAHA BB ネック

BBシリーズのベースは、ヤマハがかつて世に送り出したなかでも最も人気が高く、最も寿命の長いモデルである。BB以前に1960年代からヤマハのベース・ラインナップを支えていたSBシリーズは、デザインもさまざまで、試行錯誤の時代を思わせる。その点、BBシリーズの基本デザインは現在に至るまでほぼ不変であり、完成度の高さがうかがえる。 最初のBBシリーズが発表されたのは1977年で、スルーネック構造のBB1200を筆頭に、ボルトオン構造で、より低価格のBB1000とBB800というラインナップだ… YAMAHA BBシリーズとは、YAMAHA社のエレキベースです。 日本が誇る大人気の国産ベースのです。 BBとは「Broad Bass」の略で、1970年代から日本のエレキベースの代名詞として多くの人に愛されています。

もちろんbbシリーズにも採用されているヤマハ独自の5ピースネック構造やメイプル&アルダーのラミネートボディ構造も取り入れられています。約10万円という価格帯でここまで本格派の5弦アクティブベースは相当コスパがいいです。 ベーシスト、プロデューサーとして活躍中の亀田誠治氏やRADWIMPSのベーシスト武田祐介氏などが愛用していることでも有名な日本が世界に誇るYAMAHAのBBシリーズ。今年2017年で発売開始から40周年を迎えたということで、今回はBBシリーズの歴史について調べてみました。スポンサーリンクContentsYAMAHA BBシリーズが最初に登場したのは1977年。当時のフラッグシップ・モデルであるスルー・ネック仕様の「BB1200」と低価格帯でボルト・オン仕様の「BB1000」と「BB800」というラインナップでした。ピックアップはFenderのプレシジョン・ベースと同じスプリット・タイプのものがひとつのみでしたが、同じスプリット・タイプでも低音弦「BB1200」はポール・マッカトニーも使用していたことでも有名です。正確にはポールは左利きですので、左利き用につくられた「BB1200L」を使用されていたとのこと。当時、セッション系のベーシストであるチャック・レイニーなどはピックアップがひとつのみで、多彩な音作りには不向きであった「BB1200」にシングル・コイル・タイプのリア・ピックアップを追加する改造を行っていたそうです。その後、チャック・レイニーもYAMAHAを愛用するようになり、「BB1200」にリア・ピックアップを追加した「BB2000」のプロト・タイプが彼のためにつくられたとのこと。そして翌年1978年、のちに名器と呼ばれるようになる「BB2000」が登場します。追加されたシングル・コイル・タイプのピックアップは指板の曲面にあわせたバー・タイプのポール・ピースが採用されており、1・4弦と2・3弦の出力差を解消する工夫が施されていました。「BB2000」には100本限定で制作されたフレット・レス仕様の「BB2000F」やショート・スケールの「BB2000S」という珍しいモデルも存在します。「BB2000S」はギターのように速弾きを得意とするテクニカル志向のベーシスト向けにつくられ、BBとして初のアクティブ仕様のモデルで、2バンドのイコライザーも内蔵されていました。ボディ背面にはほかの電気系統と分離させたバッテリー・ボックスも設置されています。1982年には「BB2000」をさらに進化させたフラッグシップ・モデル「BB3000」を発売。MR.BIGのベーシスト、ビリー・シーンが自ら改造し、愛用したことでも有名な「BB3000」は2009年までの27年間という長期に渡って製造されることになります。ネックは握りやすさを考慮して細く薄いものになり、ボディもハイ・ポジションでの演奏性を高めるために深めのカッタウェイの形状へと変更されていますが、「BB2000」と「BB3000」の一番の違いはフロントのスプリット・タイプのピックアップのレイアウトです。Fenderのプレシジョン・ベースのものとは逆に配置されていたのが「BB3000」では1・2弦側がブリッジ寄り、3・4弦側がフロント寄りに変更されています。このレイアウトが最初に採用されたのは1981年に発売されたエントリー・モデルの「BB-VIS」からだそうです。先ほど紹介した「BB2000S」も同様のピックアップ・レイアウトが採用されていました。また、これまでヘッドのロゴは「Broad Bass」でしたが、この頃から「YAMAHA BB」へと変更されています。その後も1980年代は1984年に発売されたYAMAHA初となる5弦ベース「BB5000」をはじめ、ハムバッキングのピックアップをふたつ搭載した「BB1300」、スプリット・タイプのピックアップをふたつ搭載した「BB-Ⅷ」、ジャズ・ベースと同じシングル・コイルのピックアップをふたつ搭載した「BB-Ⅴ」などさまざまなバリエーションのBBが登場していきます。1990年代になると今までのBBのコンセプトとは少し違ったモデルが登場するようになります。1994年にはエリック・クラプトンやフィル・コリンズ、小田和正氏など、世界のトップ・アーティストから絶大な信頼を得ている大人気のセッション・ベーシスト、ネイザン・イーストのシグネチャー・モデル「BB-NE」が発売されます。主な特徴としては、ピックアップはアルコニVマグネットを使用したピックアップ・コイルとハム・キャンセル・コイルのダブル・コイル構造、アクティブ回路による3バンド・イコライザー5コントロール・システムを搭載。イコライザーのミドルはボディ裏のパネル内のコントローラーから調整ができ、それらをプリセットしてワン・タッチでオフ、EQ1、EQ2と切り替え可能なシステムとなっています。また、24フレット仕様となっているのも大きな特徴のひとつです。さらにハイ・グレードなフィギアド・メイプルを使用した限定版の「BB-NE SELECTED」や廉価版の「BB-N5A」、「BB-NE」をもとにつくられた「BB-G5A」4弦使用の「BB-G4A」などといったモデルも存在します。また、1990年代はヴィンテージ・サウンドが注目されるようになり、その流れにあわせてつくられたのが1995年に発売された「BB Limited」や1996年に発売された「BB Standard」、「BB Limited 5」です。ピックアップはシングル・コイルのものがふたつとなっているほか、「BB Limited」、「BB Limited 5」のボディやネックは鳴りを重視して、アメリカのWarmoth(ワーモス)社のものを使用。ヴィンテージのFenderジャズ・ベースを非常に意識したモデルとなっています。ピックガードも今までのものとは違ったデザインのものが採用されています。1997年には「BB Limited」と「BB Limited 5」を基本モデルとしたBBセミ・オーダー・システムが開始されます。ボディやヘッド、ピックガードのカラーをはじめ、ボディやネック、指板の木材、ネックのフィニッシュ、金属パーツなどを好みに応じて選ぶことができ、フレットレス仕様も対応可能となっていました。このBBセミ・オーダー・システムは2005年に終了となっています。2000年代はアーティストのシグネチャー・モデルやエントリー・モデルを中心に展開されていきました。2001年にはVan Halenの初代ベーシストであるマイケル・アンソニーのシグネチャー・モデル「BB3000MA」を発売。マイケル・アンソニーはもともと「BB2000」を愛用していたこともあり、「BB2000」の仕様をもとに「BB3000」をアレンジしてつくられたのがこのモデルです。本来の「BB3000」はフロント・ピックアップのレイアウトがFenderのプレシジョン・ベースと同じ、1・2弦側がネック寄り、3・4弦側がブリッジ寄りの配置ですが、「BB3000MA」はそれとは逆になっており「BB2000」と同じ配置になっています。また、ハイ・ポジションでより快適なフィンガリングが行えるよう、ボディとネックの接合部分であるヒールの形状を変更するとともに、ボディのカッタウェイもより深くなっています。ネック形状もハイ・ポジションが若干薄めにすることにより演奏性が向上しているとのこと。ペグはHipshotのものが採用されており、4弦にはDチューナーが搭載されています。そしてマイネル・アンソニーのシグネチャー・モデルならではの仕様として、本人の好きな赤とうがらしがポジション・マークとして施されています。素材にはアクリルが使われているとのこと。同じ2001年に、今でも現行のラインナップとして販売されているネイザン・イーストの新たなシグネチャー・モデル「BB-NE2」も発売されています。初代の「BB-NE」ボルト・オン仕様でしたが、このモデルはスルー・ネックとなっており、ボディも若干小さくなっています。そのほか、弦振動の相互干渉を抑えるため、各弦ごとに独立したブリッジが採用されているのもこのモデルの特徴のひとつです。「BB-NE2」はネイザン・イーストが所有していたYAMAHAの「MOTION-LB5」をもとに制作されたそうです。また、市販されている「BB-NE2」は5弦のものだけですが、6弦仕様のプロト・タイプも本人は使用されています。その後、2005年には「BB-NE2」をもとに、基本的なスペックは共通しつつも、より手にしやすい価格の「BB2005」が発売されます。同時期に「BB2004」というモデルも発売され、こちらも基本的なスペックは共通していますが、4弦仕様となっているほか、フロント・ピックアップはスプリット・タイプのものが採用されています。2009年にはATTITUDE(アティチュード)に続く、MR.BIGのベーシスト、ビリー・シーンのシグネチャー・モデル「BB714BS」を発売。クラシックなBBのボディ形状でありながら、フロントに搭載されたウーファー・ピックアップが強烈なインパクトを放っています。このウーファー・ピックアップはビリー・シーンとアメリカ・ロサンゼルスにあるYASH(ヤマハ・アーティスト・サービス・ハリウッド)との共同開発によって誕生した専用のピックアップとなっており、迫力のある重低音を生み出すとのこと。また、本人の「より多くのプレーヤーに使って欲しい」という要望に応え、価格も抑えられたモデルとなっています。2010年には現代の音楽シーンを見据えた上で、ロックをメイン・ターゲットとし、「これがYAMAHAが考える理想のベース」と断言できるようなBBを1からもう一度つくるというコンセプトのもと、製作されたのが「BB2024/BB2024X」というモデルです。「BB2024X」にはピックガードとコントロール部にメタル・プレートがついています。BBの中でも名器と言われている「BB2000」をもとにしつつも、スルー・ネックではなく、あえてボルト・オン仕様を採用したり、フロント・ピックアップのレイアウトは「BB2000」とは逆の配置になっていたりします。弦も裏通し仕様となっていますが、従来のサドルの真下から弦を通す裏通しとは違い、斜めにカットしたボディ底部から45度の角度で弦を通す「ストリング・スルー・ボディ」の構造となっています。従来の裏通しに比べ、弦振動のロスを大幅に軽減でき、弦振動をより多くボディに伝えることができるとのこと。また、ボディは3ピース構造でありながらも「スプライン・ジョイント」という接合方法を用いることで、1ピースに匹敵する鳴りを実現しているとのこと。そのほか、独自の木材改質技術、「A.R.E.(アコースティック・レゾナンス・エンハンスメント)」や完成後の楽器に適切な振動を与え、木材間や木材と塗装膜などのストレスを解消する「I.R.A.(イニシャル・レスポンス・アクセラレーション)」などYAMAHAが持つ技術がふんだんに注ぎ込まれたモデルとなっています。同時期に5弦仕様の「BB2025/BB2025X」、コストを抑えた「BB1024/BB1024X」、「BB1025/BB1025X」、エントリー・モデルの「BB424/BB424X」、「BB425/BB425X」なども登場しました。「BB2024」には亀田誠治氏のシグネチャー・モデル「BB2024SK」やマイネル・アンソニーのシグネチャー・モデル「BB2024MA」なども存在します。そして今年2017年にはBB発売開始から40周年を機に、新たにモデル・チェンジされています。Pro、700、400、200の計4シリーズ、9モデルがラインナップされています。これまでのBBのボディ形状は受け継ぎながらも、よりもコンパクトかつ、薄く軽くなっており、ピックガードのデザインも一新されています。ボディの小型・軽量化に伴い、ヘッドも合わせて小型化し、ペグも軽量なものを採用。ネックの形状も以前のモデルよりスリム化されています。200シリーズ以外はボディ裏面から垂直にネックを固定する4本のネジに加え、45度の角度でネック・エンドを固定する2本のネジを追加した「マイター・ボルティング・ジョイント」仕様となっており、ピックアップは今回ラインナップされている4つのシリーズ、それぞれに合わせて新たに独自開発されたものが搭載されています。そのほか、200シリーズ以外には前作「BB2000」シリーズで好評だった45度の角度をつけて弦を裏から通す「ストリングス・スルー・ボディ」の構造となっています。さすが日本が世界に誇るYAMAHAのロング・セラー・モデルだけあって、いろいろと調べていて本当に奥が深く、歴史のある楽器だということを感じることができました。今回紹介しきれなかったモデルも多数存在するので、興味のある人はもっと掘り下げてみてもおもしろいのではないでしょうか。モデル名は分からないのですが、以前ベースの講師をしていた音楽教室にBBが置いてあったものを何度か弾いたことがあるのですが、ほかのBBも機会があれば弾いてみたいなと思いました。スポンサーリンクタグ:NextPrevスポンサーリンク