京都 市長 選挙 ポスター いざ
金のかかる選挙を是正し、きれいな選挙の実現を図るため、次のような政治活動用文書図画を掲示することには制限が設けられています。 選挙運動はポスター・街頭演説や演説会・選挙運動用自動車からの連呼・選挙公報・新聞広告・政見放送(国政選挙や知事選挙のみ),ウェブサイトや電子メールを利用した選挙運動などがあります。 あけましておめでとうございます。今日は旧正月ということで、沖縄の方を中心にお祝いをされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。本日は、旧正月を記念して、京都市長選に興味がある全ての陣営の支持者の方に向けて、京都市長選特集を組みたいと思います。それでは早速いきましょう。多くの皆様にとっては一番気になる情報でしょう。現状、情勢報道は行われていないため、「接戦だ」「いや、差をつけられている」と言った声があちこち飛び交っています。私自身大体こうだろうなという予測はあるものの、やはり数字や結果に裏打ちされた情報以外は無意味ということで、ここでは具体的に誰がどうだということには触れません。ただ、そう分析する理由は、門川陣営のちぐはぐさです。これは、市長選告示日のとある掲示板です。皆さん、おかしなところにお気づきでしょうか?門川さんは、本来1番に貼らなければならないのに、4番に貼ってしまっているのです。小さなミス、と思われるかもしれないですが、これをするとたの陣営の迷惑にもなり、かつ貼り直しとなるので、普通はこのようなミスをしないように気をつけるものです。ですが、このようなミスが起きた。これはそして、門川陣営は立憲民主党や国民民主党支持者が反発しそうな代議士を応援演説に呼んだり、素手でトイレ掃除をする運動をアピールしたり、アピール戦略もどこかズレている印象です。そして、これは初出し情報ですが、門川陣営は西脇知事との2連ポスターを告示日の数日前には剥がしてしまっている光景を結構目にしました。他の二陣営は告示ギリギリまで粘って掲示していたのに、かなりあっさり外すんだな、という印象を受けたことを覚えています。そして、このやる気のなさの理由の一端はここにあるかもしれません。今回門川陣営は公明党以外は府連レベルの推薦しか受けていないのです。前回社民以外は党本部レベルの推薦があったことを考えると、異常なことです。これは4期目という多選への不満とともに、3期目に起こした数々の不祥事も関連しているでしょう。特に2番目の京アニ火災の際の発言は、メディア等で大きく取り上げられ、京アニに親しみを持つ若年層に反感を与える形になりました。そして、12年前の時点にそもそも自民民主両党支持者の間で相乗り反対が7割近くにのぼるなど、元々反共のための相乗りに不満な層が多いことも手伝って、動きの鈍さが出てきているのでしょう。一方、対抗馬の1人、福山和人さんは、れいわとの連携を積極的に打ち出し共産色を消す作戦に出ています。共産の組織力を生かし隅々まで回ると同時に、市民団体とも連携し政策の追加を行うなど柔軟さも見せていますが、れいわ新選組の代表の方が候補より目立ってしまっている宣伝戦術などの問題も指摘されています。福山陣営は、学生の街と呼ばれるだけあって数多くいる学生票を狙って各大学前の街宣を重視する方針のようで、比較的反共意識が弱く京アニ事件で現職への反感が強い学生、若年票がどう動くかが気になります。タテカン団体の方が共産系の集会に出席していたという話もあり、京大を中心としたタテカン票の行方も注目です。そして最後の1人が村山祥栄さん。彼は12年前にも市長選に出馬し、第三極票の受け皿ができたことにより結果的に門川氏は共産系の中村氏との差が1000票を切るレベルの苦戦を余儀なくされました。そしてその後は市議として経験を積みつつ、京都党を立ち上げ、今では市議5人を擁する市議会でも無視できない勢力にまで発展させています。実は16年にも出馬に意欲を示した村山氏でしたが、この時は維新主導の擁立に支持層が反発したことと、共産勝利の可能性が高くなることも加わって出馬断念に追い込まれました。その反省を生かす形で今回は表向きどの政党の支援も受けていません。その中で、政策的には村山氏と維新は親和性があることから、自主投票とした維新票がどう出るのかが注目です。そして村山陣営は継続的に受け入れているインターン経験者や学生部が中心となった若さと新鮮さをアピールする選挙戦に打って出ています。街頭演説も都市部や駅周辺などを重点的に取り込む方針のようで「共産対非共産の構図」に失望した層を取り込めるか、勝負の鍵です。問題点は、やはり表立った支援組織がないことによりどこまで活動を広げられるかと、地下鉄民営化など政策のアクの強さから、狙っている層を確実に取り込めるかが不透明なところでしょうか。京都市長選において、一部のジャーナリストは「反共対共産」の旧来の構図で語っているようですが、これは違います。そして、「反共対共産対第三極」という解釈も少し違います。正確に言えば、反共対共産の構図というある種の伝統の崩壊の序章です。前回の市長選、府知事選と、民主系支持層は半分が相乗り候補に流れました。そして、前述した通り2008年の時点で両党ともに相乗り反対派が多数を占めている状況です。そして、今回、門川市長の推薦において、公明以外は府連推薦にとどめました。2008年の市長選、共産系候補に入れたのが最も多かった世代は、20代でした。この頃から既に、若年層は「反共」という哲学を理解できなくなってきたのかもしれません。そして、先の府知事選でも福山陣営は若年層を得意としたといいます。今回も福山陣営は若年票を狙っています。その中で、反共という眼鏡をかけずにフラットな目で候補を見る10代20代が誰を選ぶのか、そして12年前に共産系候補を選んだ30代の人たちは誰を選ぶのか、若気の至りで革新風にあてられただけなのか。今までの構図を市民、いや、若年層が選ぶのか、新しいものを求めるのか、実はそこが一番の注目点なのです。では、序論はここまでにして、今回と似た構図である2008年市長選の結果を分析していきましょう。これは三陣営の得票率による色分け地図です。 中村さんは、12年前に出馬した共産系候補の方ですね。赤 オレンジ 黄色 緑 水色 青の順に得票率の高さを表しています。各陣営の傾向を見る前に、この市長選の結果と各区での得票率1位の候補が誰だったかを見ていきましょう。ご覧の通り、上位二氏の差は得票率にして0.2ポイント、惜敗率は99.4%と、史上まれにみる大激戦でした。門川氏は南部を中心に7地域を抑え勝利、中村氏は西北部の4地域を確保し、村山氏は地盤の左京区で中村氏に競り勝ちました。三氏の得票率マップを見ていると、一番そつなく得票できていたのが中村氏であることがわかります。これは共産の組織票の固さを示していますが、日本有数の共産党の牙城である左京区の得票率が比較的低いのは、左京区を地盤とする村山氏に票が流れたからでしょう。実際、この四年後の市長選、そして前回府知事選と左京区では相乗り候補と一騎打ちの構図で共産系候補が勝利しています。そして、門川氏。ここまでわかりやすいかと思ってしまうほど、右下が真っ赤になっています。この選挙に限らず、伏見山科東山、村山さんは、地盤の左京区が突出して高く、あとは南区がやや低い意外は全地域同じような率となっています。この当時は京都党結党前で、全市レベルの地名度がなかったことも影響しているでしょう。ただ、その中で左京区をとってきているのが面白いですね。全体的な分析はこれまでにして、重要な部分をピックアップしていきましょう。2008年の市長選において、南区は重要な役目を果たしました。共産の牙城の左京区を差し置いて、南区が中村さんの得票率1位の区になったのです。そして反対に、村山氏は南区が一番得票率が低く、門川氏にとってはそこまで他との違いは見られません。京都市長選において、一般的には反共2氏の得票率に相関関係があると思われがちですが、この南区においては反相乗り二氏の間で相関関係が見られました。そして、南区は、左京区と違い圧倒的な共産地盤ではありません。2007年衆院選でも、南区の得票率は市全体を上回ったものの、北区には及びませんでした。ですが、市長選では南区は北区に勝利しています。さらに、2012年市長選でも南区は再び挑んだ中村氏と門川氏の差は少ない方でしたが、2016年市長選では南区では市平均からそれ以上の差を相乗り候補につけられています。ここからわかることは、南区で得票率1位になったのは、共産だけの力ではなく、中村氏の候補者力も大きく影響しているということです。そして、これはあくまで仮定ですが、京都市民の投票行動は二種類あり、「共産か反共か(党派重視パターン)」「現市政続行か刷新か(市政審判パターン)」が混在し、後者の投票行動をとる有権者たちが反現職路線を掲げる2氏の中で中村氏を選ぶ割合が高かったということかもしれません。そして、村山氏が地盤の左京区以外で伸び悩んだのは、彼の票田が後者の市政審判パターンを選ぶ有権者の中で、さらに中村氏より良いと思う人たちしかいなかったことも影響していると思います。そして次にこれをご覧ください。これは2008年市長選の門川中村氏の得票率の差のグラフです。これを見ると、門川氏が競り勝ったのが、山科東山伏見の三区と上京中京下京といういわゆる中心部を取りきったからということがわかります。そして、それから約10年後の19年参院選の相乗り陣営と共産れいわ陣営の得票率差のグラフを見ていただきましょう。10年経っても、大まかな構図に変わりがないことがわかります。山科伏見の2区は門川陣営の生命線であること、そして北区と左京区が共産系の牙城であることもはっきりしますね。その中で、変化している区があります。これはどういうことでしょうか?この疑問を解決する糸口は、実はこの市長選一番のキーワードなのです。それは何か?実は公明党、門川氏とは彼が教育長時代から支持母体の創価学会経由で大きな繋がりがあるという話もあり、今回もただ一つだけ府連レベルではなく党として推薦を決めています。2019年参院選、わかりやすいほどに公明は南部で得票しています。そして、その中で東山は得票率が10%をきっていることがわかります。そして東山区は前原王国として知られる民主が強い区です。公明票の下駄がない以上、民主系が心変わりすると露骨に票に現れる、ということでしょう。2008年は共産に「浮気」しなかった民主支持者が、次第に流動的になっており、前原王国崩壊の兆しが見えている、と言えるかもしれません。選挙区では前原だけど、比例は民主系に入れない、という有権者が増えているのでしょうか。そして、南区が公明の強い区ということも重要なデータです。2007年参院選も南区の公明党得票率は市全体を4ポイントほど上回りました。その中で、なぜ南区だけ中村氏が勝てたのか。さきほど述べた推論の他にも様々なものが考えられますが、三陣営がこの時の「南区現象」の総括ができているのか、できているのならどう戦いに反映させるのか。南区では2007年選挙時は民主党の得票率が市平均より4ポイントほど低かったですが、そうすると、中村氏は民主系支持者の票を吸収したのか。となると南区の民主党支持者は容共姿勢が強いのか。それは南区が属する1区を地盤とする穀田恵二氏の影響力の賜物なのか。では1区に属する上京中京下京では門川氏が上回ったのかなど、考えれば考えるほど得る視点は多くなります。公明党は、京都市においては南部に勢力を維持していて、比較的弱い北部では反比例するかのように比較的共産が強いです。両者の組織力はしっかりしている上に、党同士の関係もあり、これまで見てきたことを元に、各陣営が重視すべき区を考えていきましょう。前回市長選で中村氏が票を多く得た南区、そして基本的に相乗り陣営と共産陣営の差が前回もほとんどなかった上に、京都党の市議が二人もいる右京区、そして洛西ニュータウンの交通問題という独自の課題を抱える西京区。この三区の行方が重要になってきます。そして、ここまで見ていただいた方で、「やっぱり相乗りだったら勝てなくね」と思う方もいるかもしれませんが、相乗りとなると、それに白けて選挙に行かない支持者はそれなりにいます。一方、独自候補を出した陣営の支持者は、士気も高く多くの人が投票に行くでしょう。この選挙を考える上では、どの支持層がどれくらい投票に行かないかも考えなければなりません。その上で、三陣営には多くの人たちを投票所に向かわせるような活発な議論と選挙活動を期待しています。さらに詳しい情報を知りたい方に朗報です。spread voter では、IRレポート始め、選挙や国会に関するものは、公開情報をもとに製作したものである限りは全て原則無料で公開しています。ただ、投票率予測等は、spread voterが独自に開発した手法を使っておりますので、有料とさせていただいております。支援という意味でも、是非投票率予測のついた詳細版もお買い求めください。