ロシア ガス パイプライン

(ロシア、中国) このページではjavascriptを使用しています。 ジェトロの海外ネットワークを通じて収集した最新のビジネスニュース・レポートなどをお届けしています。特集を見る各国・地域の基礎情報や制度をご覧になりたい場合は「国・地域別情報」をご覧ください。各種サービスメニューを取り揃えて日本企業の皆様の海外ビジネス展開を支援します。 海外ビジネスの目的にあわせてご利用いただける、ジェトロのビジネス情報とサービスをご案内します。 ロシアの国営企業「ロスネフチ」のイーゴリ・セチン社長は、先週東京で開かれた会議「エネルギーブリッジ・ロシア-日本」で、ロシアは日本の天然ガスに関するニーズを完全に充足できるとの確信を表した。日本は現在、液化したガスを受け取っている。日本が輸入している液化天然ガス(LNG)は、国際的な平均価格よりも高い。加えて、燃料として使用するためにLNGを気体に戻さなければならず、消費者に届けるためには数段階にわたる複雑なシステムも必要とされる。日本の独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、パイプライン経由でのガス輸送は、パイプラインの建設費や供給ネットワークの構築費用を考慮したとしても、東アフリカやオーストラリア、また米国からLNGを輸入するプロジェクトを実現するよりも安く上がるという。著名なロシア人専門家のドミトリー・ストレリツォフ氏は、次のような見解を表している‐日本へ直接ガスを供給するためのガスパイプライン計画の実現には、パイプラインやパイプライン用の機器を製造しているメーカーだけでなく、ガスを供給している企業なども賛同している。これらのメーカーや企業は、北海道を経由して東京や新潟に安価なガスを供給することで、企業が集中している中央部および西部から生産拠点を東北地方に移し、東北地方の経済活動を高めることができると考えている。これは、日本経済全体の後押しにもなる。一方でストレリツォフ氏は、政治が同プロジェクトの実現を妨げていると指摘し、次のように語っているー一方で、日本ではプロジェクトを支持する議員グループが設立された。議員グループは、ロシア産のガスおよび石油の輸入量が2倍になっても(現在、日本のエネルギー輸入量に占めるロシアの割合はおよそ10パーセント)、「過度に依存」することにはならず、日本のエネルギー安全保障にも悪影響を及ぼすことはないと考えている。またこのプロジェクトを制裁対象にすることはできない。なぜならロシア産ガスは欧州へ供給されているが、疑問視されていないからだ。さらにプロジェクトを実現するために、特に新たな施設なども必要もない。ガスは、稼働中の「サハリン1」から供給される計画であり、コンプレッサーステーションの設置は完了している。その他、ロシア側からの多額の投資も必要としていないため、融資も必要ないということだ。ロシア側のパイプラインの長さはわずか60キロ。地震地帯の海底にパイプラインが敷設される可能性も、懸念を呼んではいない。ストレリツォフ氏は、現代の技術でこの問題を解決することが可能だと指摘している。 ロシア極東から中国東北部へ天然ガスを輸送するパイプライン「シベリアの力」の稼働が始まった。両国をつなぐ天然ガスパイプラインの開通は初めてで、12月2日に行われた開通式には、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席がテレビ会議形式で参加した。 ロシア極東から中国東北部へ天然ガスを輸送するパイプライン「シベリアの力」の稼働が始まった。両国をつなぐ天然ガスパイプラインの開通は初めてで、12月2日に行われた開通式には、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席がテレビ会議形式で参加した。「シベリアの力」は、サハ共和国(ヤクーチヤ)南部のチャヤンダ鉱区(埋蔵量1兆2,000億立方メートル)からアムール州都ブラゴベシチェンスクを経由し、中国東北部にガスを輸送するもの。パイプラインの総延長距離は2,200キロ。2014年5月にガスプロムと中国石油天然気集団(CNPC)が年間380億立方メートルの天然ガスを30年間供給する売買契約を締結し、2014年9月1日に建設が開始された。2022年には、イルクーツク州にあるロシア最大規模のガス田のコビクタ鉱区(埋蔵量2兆7,000億立方メートル)とチャヤンダ鉱区をつなぐ約800キロのパイプラインも開通する。「シベリアの力」が通過する地域は、冬季にマイナス62度にも達する厳しい気候条件下にあり、山岳地帯や地震帯、永久凍土帯、湿原などでもあるため、世界の最先端の技術・設備を用いており、ガスを輸送するパイプには減摩コーティングや防食保護、断熱性を高める技術が施されているロシア国産製品を使用している。アムール州スボボドヌィ市近郊では、天然ガスに含まれるヘリウムやブタン、プロパン、ヘキサンを抽出する工場を2021年の稼働開始を目指して建設中だ。完成すれば、年間処理能力420億立方メートルに達する世界有数の規模のガス処理工場となる。テレビ会議形式の開通式に参加したプーチン大統領は「今回の歴史的な出来事はロ中2カ国だけでなく、世界のエネルギー市場にとっても非常に重要。ロ中のエネルギー分野の戦略的協力を質的に新しい段階に引き上げるもので、2国間貿易額を2024年までに2,000億ドルまで拡大させる目標の達成に近づくもの」と評価した(ロシア大統領府発表12月2日)。習国家主席は「中ロ関係の発展が両国の優先外交政策となっており、今後もその方針に変わりはない。ガスパイプラインは両国関係の深化と相互に有益な協力例として機能する」と述べた。一方で、習国家主席はガスパイプラインの管理・運用について、安全性と信頼性の確保を第1とすること、低炭素、省エネなど環境に配慮した資源開発を行うこと、ガスパイプラインが通過する地域の社会経済発展を促すことなどについて注文をつけた。(齋藤寛)

欧州ロシアCIS課 (ロシア、中国)

2019年12月12日 ロシアの国営企業「ロスネフチ」のイーゴリ・セチン社長は、先週東京で開かれた会議「エネルギーブリッジ・ロシア-日本」で、ロシアは日本の天然ガスに関するニーズを完全に充足できるとの確信を表 … 役立った

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